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渡りの足跡 梨木果歩著 新潮社

2011.0411 001

新聞の書評欄でみかけ図書館でかりてきました。

わたくしにとり初読の作家さん、渡り鳥の生態観察の為に全国各地の海辺、山奥へ出かけて取材

そして渡っていった外国まで行き検証する。鳥たちへの魅力満載の表現いいですよ

安曇野とジャワの一万キロを超える渡りをするハチクマの話。自分が鳥になった気分にさせられる見事な
筆致

「渡りの本質:生きることは時空の移動であり、それは変容を意味する」

渡り鳥ばかりでなく、移動というキーワードで働く、楽しむ人間の営みもフェイントで入り

オトトトトトと歌舞伎の踏みだし

渡り鳥に詳しくなくても適度な解説が入りテンポ良く読み切る事ができる好著です
追悼者 折原一著
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浅草の古いアパートで一人の女性の絞殺死体が発見されます。
彼女は丸の内の大手旅行会社の優秀なOL。
しかし、夜は浅草で娼婦をしていました。

「東電OL殺人事件」を小説にしたもの

という思い込みを持ち読み始めました がっ
ストーリーは全く違いました

ノンフィクションライターの笹尾がこの事件を追っていきます

笹尾が奈美の過去を調べていくうちに彼女の周りでは事故が多い事に気づきます。
偶然なのか、必然なのか

そして彼女は誰に殺されたのか――。

奈美の過去が明らかになるにつれ

二転三転、誰が殺したのか単純なようで複雑

隔靴掻痒 こんな感じで犯人が変わっていきます。

ちょっとだけよ

と解答が見えるかに思えるのも手のうちなんでしょうか

魔性の女ってこの犯人 おっとここまで

後は読まれてのお楽しみ

折原一他の作品も読んでみたいと思わせる方でした

★4つです
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「作家は編集者と寝るべきか」 内田春菊著
1103march01 012

よくもまあここまで自分の恥部というべき経歴をけれんみも全くなしでお書きになる

まさに本音の創作本。養父からの性的虐待にはじまりホントかよの連チャン

装丁を見て図書館で借りてきたのですが

彼女のイラストうまく使っていますねえ

字の扱いもとてもよろしい

タイトル文字は銀の箔、「寝る」をほんとに寝かしたり本文中のピンクの使い方など

とても斬新であります。品格高い装丁

Wikipediaによれば

子供は4人(未婚中に1人、前夫との結婚中に他の男性との間に1人、現在の夫との間に2人)おり、

長男「在波(あるは(ふぁ))」長女「紅多(べーた)」次女「紅甘(がんま)」次男「出誕(でるた)」はギリシャ文字のアルファベット順に名づけられた。

今流行りの子供の名前の付け方

暴走族みたいなの  

愛死天流【あいしてる】 愛羅武勇【あいらぶゆう】夜露死苦【よろしく】流の命名

少しくらい見習えといいたい


本はこころの栄養剤疲れ癒します
三浦哲郎著 「師・井伏鱒二の思い出」

1102月12 001

「君、今度いいものを書いたね。」先生との出会いはその言葉から始まった。

私は、井伏先生がお元気なころに履かれた下駄を持っている。昭和30年、早稲田の学生であった私が初めて先生をお訪ねしたときも、玄関にはこれとそっくりの下駄があった――。書けずにいるときは励まし、いいものを書いたときには共に喜び、またあるときは厳しい言葉も――。日本文壇の中央を歩んだ師弟の、初期二十年間の交流。(公式サイトより)

昨年夏に亡くなった作家三浦哲郎」氏が心底師と仰ぐ井伏鱒二との交流の追憶

東北人特有の思考、所作、行動いずれをみてもわたくしが路地でちゃんばらに明け暮れていた時代

ほのぼのとした交友が荻窪の井伏宅、編集者を介してあったのかと。

こころの中に暖風が吹き抜けていくようです。時間がゆったりと流れていた時代が思い出されます

映画での栗原小卷の志乃、加藤剛哲郎の絡み今でも思い出される


日経夕刊文化欄にギリシャ神話の面白い逸話が10回

今まで見向きもしないギリシャに少し興味を持ち

現在の日本ペンクラブ会長様阿刀田高の本二冊読み始めた

ギリシア神話ではとにかくこのキューピッドが何かと関わってくる

意味もわからないときはうっとおしくもある

こんなこと思っていたらこの絵、嬉しくなっちゃいました

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